目の疾患

緑内障

緑内障とは…??

緑内障は視神経が減り、視野が欠けていくという病気で日本人の失明原因の1位の病気です。進行には眼圧(目の中の圧力)が深く関わっており、眼圧が高いと視野障害は進行しやすくなります。
現在の医学では1度失われた視神経や視野を元に戻することが出来ず、治療としては視野障害の進行のスピードをゆるやかにしてあげることになります。
つまり、眼圧を下げることが進行のスピードを緩やかにすることにつながります。

眼圧は、目の中で作られるお水(房水)の量と排出されるお水の量のバランスで決まります。
房水は毛様体という場所で作られ、目の中を循環し房水の出口である線維柱帯から目の外に出ていきます。線維柱帯は網目状のになっておりここからの排出が悪いと眼圧が上昇します。(割愛しますが他にも眼圧が高くなる原因があります)

治療について

緑内障の治療

緑内障といわれたら…

点眼治療

点眼薬の治療

緑内障・高眼圧症と診断されたら、まず点眼治療からはじまりますが1剤から始まり、視野の進行や眼圧が高い状態が続く場合は2剤、3剤と使用する方も少なくありません。
治療がうまくいくには、点眼回数等をしっかり守ることが大切になっていきますが、数種類つけるものがあるとしっかりつけられないこともあります。
点眼薬の中には、2種類の点眼薬が1つになった配合薬もあり、それらをうまく組み合わせていくことで患者さんの負担は少なく、かつ高い効果が得られます。


房水の排出ルート
①主流出経路
(線維柱帯~シュレム管)
②副流出経路
(ぶどう膜~強膜)

点眼薬によってどこにどう作用するかが違ってきます。
□副交感神経刺激薬、Rho(rock)
 キナーゼ阻害薬、EP2作動薬
 →主流出経路からの房水排出
□FP/PM/EP2作動薬、α1遮断薬
 →副流出経路からの房水排出
□β遮断薬、炭酸脱水酵素阻害薬
 →毛様体の房水産生抑制
□ α2刺激薬
 →副流出経路からの房水排出、
  毛様体の房水産生抑制

Rho(rock)キナーゼという酵素は体内で収縮、増殖、
遺伝子発現誘導など細胞の生理機能に関与していて、目においては眼圧調節に大きく関わります。
グラナテックはRho(rock)阻害薬でRho(rock)キナーゼを阻害し、主流出路(線維柱帯、シュレム管、細胞外マトリクス)の組織に直接作用し、線維柱帯の目詰まりをとる作用があります。
よって主流出路の流出抵抗の減少により眼圧が下がるといわれています。
 
房水の産生・流出には交感神経が関係しています。交感神経の受容体にはα受容体やβ受容体があり、α受容体にはいくつかのタイプがあります。
アイファガンはその中のα2受容体の刺激し、房水の産生を抑え、副流出経路からの房水流出を促進させることで、眼圧低下します。
 

グラアルファは、房水の主な排出ルートに直接作用し、排出を促すグラナテック(Rho(ROCK)阻害薬)と房水の産生抑制と、排出促進を併せ持つアイファガン(α2刺激薬)を組み合わせた、世界初となる3種の眼圧下降機序を有する配合点眼薬です。
また、既存の多くの配合点眼薬で配合されているβ遮断薬による全身性副作用の懸念のある患者にも使用可能であり、PG誘導体による虹彩および眼瞼の色素沈着などの副作用もないなどの特徴があり、既存の配合点眼剤と作用する点が異なるため、様々な緑内障・高眼圧症治療剤との併用が可能となります。
現在、緑内障治療での点眼治療は1剤での長期投与には限界があり、複数使用することも少なくありません。
複数使用するとなると点眼間隔をあける必要があり、患者さんの点眼遵守の低下につながるといわれています。
このような配合薬をうまく使用することによって患者さんの負担軽減かつ、しっかりとした治療効果が得られることが可能になります。