さくらい眼科

眼鏡用レンズ

MCレンズ

MCレンズは「Myopia Control Progressive Lens」の略で日本語に訳すと「近視抑制累進レンズ」といいます。

  • 簡単にいうと「近視進行抑制効果+眼精疲労軽減効果」を期待できる眼鏡用レンズです。
  • 推奨年齢は7歳から18歳の近視の方です。
  • 普通の単焦点の眼鏡では、とくに近方視をした際に、網膜後方へ像が結びそれに伴い(調節ラグ)、眼軸長が延長するため近視が進行すると考えられています。
  • MCレンズは近方視部分が見やすい凸レンズを加入することにより、網膜後方へのデフォーカスを減らしかつ近方視時に必要な調節量(ピント調節を担当している毛様体筋の緊張)を軽減することにより眼精疲労も軽減効果が期待できるレンズです。

受験や読書好きのお子さんには眼が疲れにくくなることが期待できるので遠方が良く見えるだけでなく、近方作業の集中力や持続力の向上が期待できると考えられます。(逆に遠視の低矯正や近視の過矯正、特に眼鏡による近方視での相対的過矯正状態は「近視の進行」のみならず「眼精疲労」が出現しやすいため、「うちの子供は勉強しても集中力が続かない、飽きやすい」などの態度・行動として現れることがあります。その場合適切な度の眼鏡で改善する可能性があります。)

以下特徴などを述べます。

  • 近視抑制効果は劇的ではなく、ある程度進行抑制効果が期待できるだろう、というレベルです。
  • 岡山大学で行われた研究では、近視の小児に対し4年間にわたって「通常の単焦点眼鏡で矯正したグループ」と「MCレンズで矯正したグループ」と比較したところMCレンズを使用したグループで約15%近視進行抑制効果が認められ、有効であったと結論付けられています。
  • カールツァイス社製(ドイツ)で、同社から販売が認められた眼科で処方を受けなければ処方が受けられず、また取り扱いがある眼鏡店が限られているので注意が必要です。
  • 茨城県では当院含めた4施設のみです。(2017年3月現在)
  • 当院付設のさくらVisionで購入可能です。
  • 小児の近視抑制効果を期待できる手段として「オルソケラトロジー」があります。オルソケラトロジーは適応が近視-4D 乱視が-1D(FDAでは近視-5D 乱視が-1.5D)までに対し、MCレンズは近視-8D乱視が-4D(球面と乱視の合算で-8Dまで)と比較的進行した近視の方でも処方が可能です。

近視が進むということは、ただ「眼鏡が合わなくなれば、度を強くすればよい」のではなく、近視が進行すると数多くの病気になるリスクがあります。(参考をご覧ください。)

  • 長時間の近方作業や過矯正のレンズ(強すぎるレンズ)が近視を進行させる環境要因とされ、外で遊ぶことが多い子は近視の進行が進みづらいようです。
  • 過矯正のレンズは、眼精疲労の原因になるだけでなく、近視を進行させると考えられています。眼科で調節麻痺薬を点眼した状態での屈折検査、簡単に言うと毛様体というピント調節に関わる筋肉をリラックスさせてから近視遠視の程度を測る検査をすると、過矯正の眼鏡にならずよいのですが、いきなりメガネ屋さんで検査すると過矯正になってしまうことが数多く認められます。特に医学的にお子さんは(成人でも眼精疲労が強い方は)点眼による調節麻痺下での 屈折検査を行うべきです。点眼による調節麻痺下の屈折検査を通しての眼鏡処方であれば過矯正になることはほとんどなく、医学的に意義の高いかつ妥当な処方方法です。
調節麻痺薬使用のもとでの眼鏡処方以外に、小児の近視進行抑制としては以下の3つが主なものがあります。
1 MCレンズ
2 オルソケラトロジー
3 0.01%低濃度アトロピン点眼

参考:近視が進行することにより、発症の懸念が高まる疾患は以下のものがあります。

  • 緑内障(日本における失明原因の1位です。近視は緑内障発症の代表的原因の一つです。)
  • 裂孔原性網膜剥離(手術をしなければ失明します。手術が成功しても大なり小なり視力障害や視野障害などの後遺症を残します。)
  • 近視性網脈絡膜障害(「強度近視」が日本における失明原因の5位です。多くの場合緑内障も合併していますが、緑内障を否定された多くがこの近視性網脈絡膜障害になると考えられます。)
  • 病的近視(≒強度の近視)に伴う脈絡膜新生血管(日本における失明原因の4位で、欧米では失明原因の加齢黄斑変性ととてもよく似た疾患で、視野の中心が暗くなったり、歪みが生じます。加齢黄斑変性は通常50歳以上に生じるものを指しますが、本疾患は年齢問わず生じえます。)